オンプレ系インフラエンジニアがAzureを勉強する

いつか誰かの何かの役に立つと嬉しいな

【レポ】PowerAppsでローコーディングなハッカソンに参加してきました

PowerAppsのハッカソンに参加したレポート記事になります。
 

概要

「アプリは誰でも作れる日がきた」をスローガンにPowerAppsのハンズオンとハッカソンが同時開催された勉強会です。
なおかつ、東京と福岡の2拠点同時開催というお得感満載でした。
 
 

セッション&ワークショップ

スピーカー:吉田 大貴さん(@TaikiYoshidaJP)
テーマ:「アイデアをデジタル変革させるには」
 
イデアをどうやってPowerAppsにするかがテーマのセッションでした。
そもそもPowerAppsは単純なものから複雑なものまで網羅できるサービスとして、使い方次第で実現できることの幅が広いものだそうです。
PowerAppsを効果的に使える場面としては下記になります。
・情報の収集
・情報の共有(部門をまたぐ業務など
・情報のデジタル化(紙の申請書など
 
PowerAppsを利用した事例がYouTubeで見れます。
今回はHeathrow空港の例を拝見しました。
他にも事例がたくさんあるようです。

 

youtu.be

 

また、PowerAppsでのアプリ開発は従来の開発方法とは異なります。
イメージとしてはアジャイルをさらにスーパーアジャイルにしたもので、一週間で1サイクルの目安。
 【計画→設計→作成→テスト→改善】
ローコーディングなので、極端な話だとお客さんの目の前で動かしながら認識のすり合わせをすることもできるようです。

 

セッションの合間に下記のようなワークショップがありました。
午後のハッカソンの下地になるものでした。
 
1.今困っている業務フローを書き出す。
2.アプリを使う人のペルソナを書き出す。
3.ペルソナに基づいてOKR(目的と結果)を書き出す。
4.業務フローとペルソナをもとにタスクを洗い出す。
5.アプリの画面スケッチを書き出す。
6.アプリの機能に優先順位をつける。

個人でアプリを作る際にもこのワークショップの流れを意識して作れば
目的を見失わずに丁寧なものが作れる気がしました!
(作ることに夢中になり目的を見失いがちなので...
 

ハッカソン

午後からいよいよハッカソンです。

テーマ:ボランティア、介護、教育、子育て
チーム:HappyBirthday王者(東京)、NPOハック四(東京)、QBSLab(福岡)(1チーム当たり4~5人)
制限時間:約2時間

アカウント:PowerApps用に1人1つMSアカウントを割り振っていただきました。

 

私のチーム(HappyBirthday王者)は災害ボランティアの支援アプリを作ることにしました。
目的:被災地の状況を素早く把握し、的確にボランティアを派遣できるようにすること。
ユーザー:被災地の役所の人、ボランティア参加の人
概要:
  役所の人が被災地の写真をメインに被災状況の情報を集める
  →集めた情報をもとに役所の管理者が支援の優先順位を決める
  →ボランティア参加の人の情報を集め、適正によって仕事を割り振る
ポイント:
  被災現場で使うものなので、極力自由入力の少ないものにする。
  幅広い年齢層が使えるようにUIを簡潔なものにする。
  災害ごとに使えるように汎用性の高いものにする。
  オフラインでも使えるものにする。

 

以下、私のチームでの制作の流れになります。
まず、アプリに必要なデータをTeamsに書き出し共有します。

f:id:mitsunooon:20190929204808j:plain

書き出したデータをもとにエンティティを登録していきます。

f:id:mitsunooon:20190929204847j:plain

f:id:mitsunooon:20190929204857j:plain


データモデルが出そろったら、アプリを作ります。
[データから開始]という機能を使うとエンティティのデータをもとにアプリの大枠を作ってくれます。
もとになるデータも選べ、今回はCommon Data Serviceを使います。

f:id:mitsunooon:20190929204933j:plain

f:id:mitsunooon:20190929205239j:plain

 
一覧表示、項目の詳細、書き込み画面の3種類が自動で作られます。
後は、午前中に書いた画面スケッチに沿って必要な項目を追加していきます。

f:id:mitsunooon:20190929205323j:plain

 
画像の表示もパラメータを1行いじることで可能でした。

f:id:mitsunooon:20190929205404j:plain

 
2時間でユーザーごとに合わせた3つのアプリができました。
・被災状況収集アプリ
・管理者操作アプリ
・ボランティア情報アプリ
 
また、完全な連携までは至りませんでしたが、
PowerBIで被災地が地図上ですぐに確認できる機能も作成しました。
 

コンポーネントの使い方

複数人で開発する環境で、ヘッダーなどアプリ内で統一したいものはコンポーネントを使用すると便利ということで、まだプレビュー機能ですがレクチャーいただきました。
メモとして簡単に記載しますので、詳細は吉田さんの記事をご覧いただくのが良いです。

PowerAppsのアプリが10倍速く作れるキャンバスコンポーネントとは? - Taiki's Memorandum

 

アプリ作成開始後、
[アプリの設定]>[詳細設定]>[コンポーネント]オンにする。

f:id:mitsunooon:20190929213219j:plain

 

 アプリ編集画面に戻り、
[挿入]>[カスタム]>[+新しいコンポーネント]
にて必要なコンポーネントを作成します。

f:id:mitsunooon:20190929213252j:plain

 

f:id:mitsunooon:20190929213407j:plain


アプリ画面にて
[挿入]>[カスタム]で先ほど作ったコンポーネントが表示されて使えるようになります。

f:id:mitsunooon:20190929213432j:plain

 

アプリの紹介と結果発表

審査方法は、参加者と審査員の皆さんで各チームへの評価を専用フォームに投票し、そのポイントが一番高かったチームが優勝となります。
 
<HappyBirthday王者チーム>
テーマ:災害ボランティア支援アプリ
審査員評価:ボランティア情報の登録にて、大量の人がPowerAppsを利用するにはライセンス問題に懸念がある。
 
NPOハック四チーム>
テーマ:災害ボランティア支援アプリ
概要:災害支援の依頼電話を受けたNPOのボランティアの人向けのアプリ。
アピールポイント:NPOの人の拠点が散在していることで、情報の受け渡しに問題があることを解消したい。
審査員評価:受電だけで依頼を回す場合、捌ききるにはそれなりの人のリソースが必要なため、ライセンスの運用に問題はないか。
 
<QBSLabチーム>
テーマ:実績登録システム
概要:社内の工数や実績などをリアルタイムで入力できるアプリ。
アピールポイント:実際の業務で困っていることを取り上げた。題名のUIにこだわった。
審査員評価:工数や実績の入力項目が自由記入のため、手間と感じ記入しない人が出るのではないか。

<結果>
優勝:NPOハック四チーム!!!
おめでとうございます!
個人的にNPOハック四チームのアプリでいいなと思ったところはUIのきれいさでした!
短時間でも色味やボタンなどにもこだわって作られていているところが素敵でした。
 
また、審査員の方からのお話であった、PowerAppsを使うこととハッカソンで意識することのポイントが刺さりました。
・競合の既存製品にどう勝てるか
・PowerAppsじゃないとできないことを見せる(誰が何をだれのために)
 
PowerAppsは本来Dynamics365がメインということで
そちらの知識や背景、前提なども知っているとより良いとのことでしたので
ちゃんと勉強していこうと思います。
 

感想

完全に趣味で触り始めて興味を持ったPowerAppsで、人生初めてのハッカソンに参加しました。どきどきでした。
案の定、スキル的には全く追い付かずでしたが、PowerAppsの使い方を学べたとてもいい機会でした!
今後も何かしらのハッカソンに参加したいと思っているので、貢献できるようなスキルや立ち居振る舞いを身に着けます。
全体としては、コミュニティ運営の方々の仲の良さが際立っていて、居心地のいい雰囲気のアットホームな会でした。初めてのハッカソンが今回のような優しい雰囲気のもので心底よかったです。
また、福岡とのTeamsを使ったリモートなやり取りも新鮮でした。
今回の学びを踏まえて、自分用に作っているアプリを改良してまた改めて記事に書きます。
運営の皆様、チームの皆様、ありがとうございました。