オンプレ系インフラエンジニアがAzureを勉強する

いつか誰かの何かの役に立つと嬉しいな

クラウドコンピューティングの基礎知識

はじめに

先日、クラウドの基礎とメリットについてお話する機会がありました。
改めて勉強し、今さらながら初めて知るようなこともあったので簡単にまとめました。

 

 

参照サイト様

総務省 ICTスキル総合習得教材

https://www.soumu.go.jp/ict_skill/pdf/ict_skill_2_2.pdf

 

NISTによるクラウドコンピューティングの定義

https://www.ipa.go.jp/files/000025366.pdf

 

クラウドの定義とは

クラウドには多様な形態があり、簡潔な定義が困難であるとされています。
そこで、NIST(米国国立標準技術研究所)が下記の5つの特徴を満たすものをクラウドとすると挙げました。

f:id:mitsunooon:20200411093042j:plain


オンデマンドセルフサービス

いつでもだれでも触れる状態であること。
各サービスの提供者に連絡することなく、利用者が必要に応じて自分の意志で始められる環境であること。

この特徴により、「早く価値を生み出す環境」が実現できます。

 

幅広いネットワークアクセス

どこからでもアクセスができる状態であること。
インターネットがつながる環境であれば、場所は問わず、デバイスも自由となる。

この特徴により、どこでも同じ環境が使えるため、テレワークのような働き方改革にも向いています。

 

リソースの共有

クラウドサービスで提供しているリソースは、マルチテナントモデルとして集積されている。
そのリソースをユーザーの需要によって割り当てる。
ユーザーはリソースが物理的にどこにあるかを意識することはない。

 

スピーディーな拡張性

クラウドのリソースは、ユーザーの要求によって即座に拡張や縮小ができる。
場合によっては割り当てや提供サイズを自動化することもできる。

この特徴により、リソースの確保に対して工数を取らないため
オンデマンドセルフサービス同様、「早く価値を生み出す環境」が実現できます。

 

サービスが測定可能

ユーザーとクラウド提供者の双方にとって重要な、サービスの品質保証にかかわる特徴。
ユーザーは誰が何をどれくらい使用していたか、
クラウド提供者はいかにダウンタイムなくサービスを提供できたか、を知る必要がある。
それを明示するために各サービスに対する正確な測定が必要になる。

SLAの認識は以前からありましたが、
クラウドの特徴(スピーディーな拡張性等)によってさらに意識されるものとなりました。

 

 

クラウドの実装モデル

 クラウドの実装モデルはクラウドサービスの利用機会の開かれ方によって、4種に分類されます。
今回は主に使われることが多い3つのモデルについて記載します。

 

パブリッククラウド

クラウド事業者が所有していて、一般公開されているクラウド
誰でも利用することができる。
インターネットを経由してWebブラウザでアクセスできる。

具体例)Azure、AWSGCPなど


プライベートクラウド

クラウドリソースを使用する組織が所有と運営をする。
ハードウェアの購入、保守、管理が必要になる。
単一の組織に所属する者のみが使用できる。
パブリックアクセスは許可しない。
物理サーバーの設置場所は、利用組織の敷地内に設置するケースもあれば、
クラウド事業者のデータセンターなどに設置するケースもあります。


ハイブリットクラウド

複数のクラウドモデルを組み合わせたもの。
コストや効率面でいいとこどりができる。
部分的な管理が必要。(プライベートクラウド部分)

複雑なカスタマイズが必要な部分はプライベートクラウドで構築し、
定型的なサービスで対応できる部分はパブリッククラウドで構築するケースが考えられます。

Azure+AWSというような、複数のパブリッククラウドの組み合わせはマルチクラウドと言います。

 

 

クラウドのサービスモデル

クラウドにはたくさんのサービスがあります。
各サービスをクラウド事業者とユーザーの間の管理責任ごとに分類したとき
下記の3つのケースが考えられます。

f:id:mitsunooon:20200411093204j:plain

 

IaaS(Infrastructure as a Service)

サービスとして提供されるインフラストラクチャー
ストレージやサーバーといったパソコンの中枢機能を利用できるクラウドサービスです。
従来は、インフラというと大規模な装置や保守人員が必要でしたが、IaaSを利用することでデバイスさえあればすぐに利用可能となります。
スケールアップ/ダウンも迅速にできます。
Azure内のサービス例)Virtual Machines

 

PaaS(Platform as a Service)

サービスとして提供されるプラットフォーム
OS、ネットワーク、フレームワークといったプラットフォームを開発するためのミドルウェアを利用できるクラウドサービスです。
環境設定に工数を取られないので、アプリケーションやサービスの開発に注力することができます。
Azure内のサービス例)Functions、Web Apps、Logic Apps


SaaS(Software as a Service)

サービスとして提供されるソフトウェア
物理的な部分からアプリまで担います。
これらはユーザー側が構築管理することはなく、ブラウザなどで接続して利用するだけになります。
一般的なサービス例)Microsoft Office 365、GmailDropbox

 

コストとカスタマイズの自由度は下記のようなイメージです。
ユーザーが管理する範囲が広いほど、カスタマイズの自由度は上がりますが、
その分コストもかかります。

f:id:mitsunooon:20200411093330j:plain

 

また、これらをわかりやすく例えたのが車の例になります。
IaaS: カーディーラーで車を買うようなもの。車検や駐車場の確保などが必要になる。
PaaS: レンタカーで借りるようなもの。実際には使っていない間もお金がかかる。
SaaS: タクシーを利用するようなもの。乗っている時間にだけ払う。

f:id:mitsunooon:20200411093354j:plain

 

 

スライド資料

www.slideshare.net

 

おわりに

クラウドの本当に最初の部分について改めてまとめてみました。
もう少し先についても機会があったらまとめてみます。