Azure ストレージサービスのレプリケーションオプションについて
はじめに
ストレージのレプリケーションオプションの違いを整理するためにメモします。
参考
データの冗長性 - Azure Storage | Microsoft Docs
※図解や一覧表などはこのサイトを見るとよいです。
レプリケーションオプションとは
レプリケーション=レプリカ(複製)を作ること。
物理的なディスクの故障などによりデータが失われないようにデータの複製を行う。
レプリケーションの範囲にも種類があり、それをレプリケーションオプションとして指定することができる。
ローカル冗長ストレージ(LRS)
LRSはLocal Redundant Storageの略。
プライマリリージョンの1つのデータセンター内でデータが3つのディスクに同期される。
1つor2つのディスクが壊れてしまってもデータが使用できる。
レプリカはすべて同時に書き込みを行い、すべてに書き込みが終わったときに完了のデータが返る。
持続性
年間99.999999999% (9が11個)
オプションの中で1番低い。
特徴
データセンター自体が災害に合うとすべてのデータを失う可能性がある。
データの損失が発生した場合に再構築が簡単なデータを格納する場合などに使用する。
サポートされるストレージアカウント
- Standard 汎用 v2
- Premium ブロック BLOB
- Premium ファイル共有
ゾーン冗長ストレージ(ZRS)
ZRSはZone Redundancy Storageの略。
プライマリリージョンの3つのAzure可用性ゾーン間でデータが同期される。
Azure可用性ゾーンは、電源、冷却装置、ネットワークを備えたリージョン内の独立した物理的な場所。
いずれかのデータセンターで災害が起きてもデータが使用できる。
レプリカはすべて同時に書き込みを行い、すべてに書き込みが終わったときに完了のデータが返る。
持続性
年間99.9999999999% (9が12個)
オプションの中で2番目に低い。
特徴
東日本では使用できるが、西日本では使用できない。
リージョン自体が影響を受ける場合(大規模災害)にデータの保護ができない。
サポートされるストレージアカウント
- Standard 汎用 v2
- Premium ブロック BLOB
- Premium ファイル共有
geo冗長ストレージ(GRS)
GRSはGeo Redundant Storageの略。geoは「地理」を意味する。
プライマリリージョンの1つのデータセンター内でデータが3つのディスクに同期される。
その後、セカンダリリージョンの1つのデータセンター内でデータが3つのディスクに非同期コピーされる。
結果的に6つのディスクにデータが保持される。
持続性
年間99.99999999999999% (9が16個)
オプションの中で1番高い。
特徴
リージョン自体が影響を受ける大規模災害でもデータが使用できる。
セカンダリリージョンのデータが読み取れるのは、意図的にフェールオーバーを開始した場合だけのため、平常時はアクセスできない。
サポートされるストレージアカウント
- Standard 汎用 v2
読み取りアクセスgeo冗長ストレージ(RA-GRS)
RA-GRSはRead Access Geo-Redundant Storageの略。
GRSと同様のデータ保持方法。
持続性
年間99.99999999999999% (9が16個)
オプションの中で1番高い。
特徴
平常時でも読み取りのみアクセス可能。
サービスによってはサポートされていないオプション(例:Azure Files)
サポートされるストレージアカウント
- Standard 汎用 v2
geoゾーン冗長ストレージ(GZRS)
GZRSはGeo-Zone Redundancy Storageの略。
ゾーン冗長ストレージとgeo冗長ストレージを組み合わせたようなオプション。
プライマリリージョンの3つのAzure可用性ゾーン間でデータが同期される。
その後、セカンダリリージョンの1つのデータセンター内でデータが3つのディスクに非同期コピーされる。
結果的に6つのディスクにデータが保持される。
物理的な場所としては4か所にデータが保持される。
持続性
年間99.99999999999999% (9が16個)
オプションの中で1番高い。
特徴
最大限の一貫性、持続性、高可用性、優れたパフォーマンス、リカバリーのための回復性を必要とするアプリケーションに対しておすすめ。
サポートされるストレージアカウント
- Standard 汎用 v2
読み取りアクセスgeoゾーン冗長ストレージ(RA-GZRS)
RA-GZRSはRead Access Geo-Zone Redundancy Storageの略。
GZRSと同様のデータ保持方法。
持続性
年間99.99999999999999% (9が16個)
オプションの中で1番高い。
特徴
平常時でも読み取りのみアクセス可能。
サービスによってはサポートされていないオプション(例:Azure Files)
サポートされるストレージアカウント
- Standard 汎用 v2
コスト比較
下記サイトを使用して比較してみました。
Azure Storage Blob の価格 | Microsoft Azure