オンプレ系インフラエンジニアがAzureを勉強する

いつか誰かの何かの役に立つと嬉しいな

【レポ】Red Hat Certified Professional Day 2019に参加してきました

Red Hat Certified Professional Day 2019に参加してきたレポート記事になります。

 

Red Hat Certified Professional Day 2019とは

Red Hat認定資格者向け特別企画です。
私もいくつか資格を持っていたので今回ご招待いただきました。
今回のテーマは「学び」ということでラーニング周りの話を中心に
8名のRed Hat社員の方々から日々の学習方法についてお話を伺いました。

Red Hat Certified Professional Day 2019


密度の濃い時間でしたので、印象に残っているところをかいつまんで書いていきます。

 

セッション1:「エンジニアの価値を上げるためのLinux+1」

スピーカー:平さん(KVMやAnsibleについての書籍を出されています。 

 

  • エンジニアの付加価値について
ベースになる技術に+1をしてエンジニアとしての価値を高めようというお話でした。
例えば、今回はベース技術をLinuxとして
クラウドビッグデータ、ネットワーク、DB、ビジネスのような技術のいずれかを+1として
習得することでLinuxエンジニアとしての価値が高まるという形です。

意外にもビジネスの分野を兼ね備えているエンジニアというのはなかなかいないそうです。

 

  • 情報ソースについて

 様々な情報ソースがありますが、それぞれの特性を理解して活用する必要があるそうです。

メーカーの公式ドキュメント、技術書、ブログ、セミナー、社内外の勉強会…
セミナーはその時売りたいものなどによって情報の内容に偏りが出るので

純粋な情報収集としてはあまり向かないというのが印象に残ってます。

 

 セッション2:「Global Learning Service プレゼンターセッション」

 スピーカー:Vikramさん(シンガポールからいらした。日本人に配慮した聞き取りやすい英語でした。

 

IBMRed Hatを買収したことは最近もニュースになっていましたね。
それについては、買収されたとしてもRed HatRed Hatとしてブランドのスタンスは変わらないとのことでした。

IBMの市場の強さを味方にして、より強い企業になるとの意気込みで安心しました。

 

Red Hatには数々のトレーニングプランがあります。
多くの企業がトレーニングに伸び悩んでいる中、
Red Hatのトレーニングは受講者による評判も良いらしいです。

私もRHCSAのための講座でLinuxの基礎を学んでものすごく役に立ちました。

 

  • ラーニングコミュニティ
1年前に立ち上げたというラーニングコミュニティについてもご紹介されてました。

Home - Red Hat Learning Community

 

スピーカー:Arunさん(デリバリのマネージャー。Linuxに長く携わっている模様。

 

  • Linuxの歴史について
Linuxは15年ほど前はただの周辺機器のOS(サーバ)という認識で小馬鹿にされていたらしいです。あまり業務向きではない、と。
その状態から今の立ち位置まで築き上げられたのは、
IT業界の変化に敏感に対応していたからだと思います。
仮想化の波にもやクラウドの波にも遅れることなく。

それもやっぱりOSSにかかわる人たちの頑張りがあってのことなのかなぁとも思います。

 

  • RHCEの認定が始まったのはいつ?
Red Hatの創業は1993年。なんと私と同学年くらい!!
RHCEの認定は今年で20周年らしいです。
当時から試験内容は選択式ではない実技試験で、確かな技術力を示すものだったそう。

なんと今回は2000年にRHCE試験に合格したレジェンドもいらっしゃてました!すごい!

 

  • RHEL8に対応したRHCEについて
世の中の流れもRed Hat自動化に注目しているということで、Ansibleが必須カリキュラムに!

RHCE取得後のAnsible関連の試験はこちら↓
RHEL8

Advanced Automation: Ansible Best Practices (DO447)
RHEL7

Automation with Ansible I(DO407)

 

ちなみに、資格の最高峰はRHCAレベル21という鬼のように強い資格になるそうです。
RHCE+5つの試験を受けるとRHCAレベル1になるので、
Red Hatが出しているほぼすべての試験に受かるようなものですね笑

 

これからクラウドやコンテナも意識した試験がどんどん広がるので
RHCEだけで満足しちゃだめだな…と本当に思いました。

 

セッション3:「エンジニアとして学び続けることの意義」

スピーカー:鈴木さん(Twitter:@tomoya_su)

 

  • 今日の目標

みなさんの学ぶ時間が1分以上増えること!

 

  • なぜ我々は学ぶのか?
自然界で生き残れるのは変化に適応できるものだけだ!
IT業界も同じだ!
そのために学ぶのだ!

学ぶ習慣。大事。

 

  • どうやって学びを続くようにするか?
ハードルは低く:1冊やる⇒1ページやる、土日に8時間⇒毎日5分、のようにできる範囲の省エネにする。
振り返りをする:復習する。学ぶ時間を見直してみる。アウトプットをして自分がやったことを振り返る。

厳密にやりすぎない:何度失敗してもよい。完璧にやろうとすると続かない。

 

  • 鈴木さんの学習法
ポモドーロテクニック:こまめな時間配分で勉強をする。

成果の用意:やりたい会社に転職できるなど。

 

全体的に身近でわかりやすいお話しでした。
私は最近資格勉強に疲れた?飽きた?感があるので、
手を動かす構築とアウトプットに注力してます。

 

 セッション4:「自分戦略 ー効果的な学習アプローチについて考えるー」

スピーカー:荒木さん(おしゃれなRed Hatポロシャツをお召しになっていました。

 

  • おすすめの学習方法
Web、セミナー、書籍

検証、勉強会、トレーニング…

それぞれのメリットデメリットも教えてくださいました。
先にセミナーは情報に偏りがあると書きましたが、
直接質問ができるというメリットがあるようです。

 

  • 目標設定が大切
実力からみた目標設定。その目標には必然性がついてくると。
習熟度の客観視として認定資格がありますが、
認定資格はペーパードライバーになる面もあるので気を付けましょう。

私は完全にこのタイプです。。。

 

  • DX時代を生き抜くために
ビジネスマンもエンジニアも時代に合わせて変わっていかないといけません。

「LeanとDevOpsの科学」という書籍がおすすめだそうです。

 

  • ワークショップについて
OpenShiftのワークショップがあるそうです。

まったくの初耳でした!これは嬉しい!

Red Hat OpenShift 4 Hands-on Workshop 基礎編 Basic-2

 

セッション5:「テックブログのすすめ」

スピーカー:森さん(Twitter:@mosuke5)

 

  • 学習するということについて
昨今のエンジニア業界では一人一人に求められる技術の範囲が拡大している!

→どうやって効率化して身につけていくか?

 

SECIモデル(せきもでる) - ITmedia エンタープライズ

要約すると、暗黙知形式知を繰り返すことで人も会社も強くなるということで
その方法のひとつとしてテックブログをおすすめされていました。
テックブログのメリット:知識の理解度も向上する。やったことを思い出しやすくなる。

 

  • テックブログを書くコツ
ネタはでもいい:既出のネタなら、自分の知りたいことを+αしてみる
頻度:マイペースで。ただし、すぐ書くのが良い。

楽しみを見つける:PV数の変遷だったり広告収入だったり。ブログ運用自体が楽しいこともある。

 

弊社でもテックブログを開設したいと思っているのですが、
企業として社外に向けてやるのはいろいろな面で大変だそうです…
まずは社内向けのテックブログあたりから始めてみようかと思います。

 

セッション6:「趣味だから継続できる学習」

スピーカー:杉村さん(Ansibleのサポートエンジニアの方。サポートの方のお話を聞ける機会は滅多にないそう!

 

  • これまでの取得資格について
本当に何十年も毎年のように何かしらの資格を取得されてました!
LPICOracleCisco等…

大抵のエンジニアがまずほしいと思う資格ばかりでした。

 

  • 勉強方法について
課題としては「忘れる」「思い出せそう」とどう戦うか。
→自然と出てくるまで繰り返し繰り返しやる!
実際に手を動かしているとよくわかりますが、身についてるコマンドは自然に出てきますよね。
インプット:反復、問題集とか

アウトプット:人に説明する。構築してみる。評価されるのはこれ。

 

  • 視野を広げる
近い関連のあるものばかりでなく、少し離れたものの勉強も意外なところでつながって助けになることも!
そういった意味で視野を広げることは大切です。
杉村さんはIT関係の資格だけじゃなく、

囲碁や将棋を極めたり、弁理士の勉強にも力を入れていたそう。

 

  • 続けるコツ
1日10分勉強!
少しずつでもコツコツ続けることが大事なんだそう。

継続は力ですね…!

 

セッション7:「新米Red Hatterの振り返り」

スピーカー:長嶺さん(前職ではサーバー構築やNW運用をされていたそうな

 

  • お仕事での失敗からの教訓
手順書をきちんと用意せずワンオペでミス!
→手順書を用意することで段取りの理解になる
 
要件にないことを要求され、切り捨てたらお客様の逆鱗に触れてしまった
→相手のことを考えられてない。
(でもこれは時と場合に寄りますよね…
 
単体の構築としては間違ってないが、お客様のやりたいことが実現できなかった…
→構築したものをお客様がどう使うのか目的がわかってなかった

私も目先のことでいっぱいになってしまって大本の目的を知らないまま進めてしまうことがよくあります…反省。

 

  • 資格は何のためにあるのか
資格試験といってもその目的は様々です。
会社の方針、インセンティブ、自分磨き(腕試し、初学のため)etc…

私は頭でっかちのタイプなので初学のために資格を取る派です。

 

  • 資格を取った後、そこで得たものをどう活かすか?
いつもの手順書を見直してみる!

いつもの慣れた作業でも知識が増えた状態で見るとちぐはぐな手順があったりするかも


自己の体験に基づく具体的なお話が多くて面白かったです。

 

JTPさんのお話

各種トレーニングについてのご紹介。
2019年下期にはRHEL7とRHEL8の差分を学ぶためのトレーニングもあるらしい!受けたい!
私もRHCSAとRHCEはJTPさんのところでお世話になりました。

 

懇親会

大変豪華な立食パーティでした!
1人参加だったのでお話できるかドキドキしていましたが、
皆様フランクにお話しくださって大変楽しい時間を過ごせました。
アワードがあると伺っていましたが、まったく関係ないだろうと思っていたところ
保有資格数が最も多い人ということでRed Hat印のリュックをいただきました!
予想もしていなかったのでびっくりしました。ありがとうございます。

f:id:mitsunooon:20190718004301j:plain

その他感想

・何人ものRed Hat社員さんのお話を伺いましたが、皆さんそれぞれ色々な経歴をお持ちでした。そしてポテンシャルが高い…!

私がひーひー苦労して取ったRHCEも、みなさん入社後2,3か月程で取得されていてさすがとしか言いようがありませんでした笑
・勉強に対する意欲が刺激されたので頑張ろうと思えました。
私一人だけじゃなくて社内の人を巻き込んで、勉強会なりテックブログなりやります!目標!
・通訳さんがかっこよかったです。
・本当にすごく有意義な会で、頑張ってRHCE取ってよかったなぁとしみじみ思いました。RHCEで満足してはいけないな、とも…

今年の12月にもイベントを予定されているそうなので絶対参加します!

 

おまけ(ノベルティについて)

ずっと憧れてたRed Hat印のグッズをたくさんいただきました!
リュック、帽子、水、スピーカー、升…
Red Hatファンとしてはむせび泣くほどうれしいです;;この夏はRed Hat帽子で出かけます笑

f:id:mitsunooon:20190718004241j:plain