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【レポ】Power Platform Day Winter '19に参加してきました

Power Platform Day Winter '19 に参加したレポート記事になります。

 

概要

Microsoft のPower Platform(Power BI/Power Apps/Power Automate/Power Virtual Agents)のコミュニティ主催のイベントです。
キーセッション含め、全22セッション+相談室が用意されたかなり豪華なイベントでした。
ハッシュタグ:#JPPUG #PowerPlatform #MSIgniteTheTour #MSIgnite #JPPUGWinter19

power-platform.connpass.com

 

以下、主に感想や心に残った言葉などを書いていきます。
当日の会場の様子や私が参加した以外のセッションについて知りたい方はTogetterをご覧いただくのがいいかと思います。

Power Platform Day Winter '19 まとめ - Togetter

 

キーセッション

特別ゲストのBrian Dang先生によるお話。
吉田さんによる20分でのPower Platformすべてを使ったアプリを作るデモ。
手品のような素早さでアプリができていく様子は圧巻でした。
このスピード感が開発現場に導入されたらスーパーアジャイルどころではないですね。

 

1つ目のセッション

テーマ:「非ITの初心者が王子のレポート集を見て、1か月で綺麗なレポートが作れるようになったお話」
スピーカー:Tomomi Yoshidaさん、Yugo Shimizuさん
 
元々は管理栄養士さんだった吉田さんが
IT業界に転職して、初めてPower BIを触った時の経緯と成果物のお話でした。
見せていただいたPower BIでまとめた成果物は、そのデータの用途や背景を知らない我々が見てもわかりやすいという印象を持つくらいきれいなものでした。

吉田さんがPower BIを勉強するうえで参考にされたのが、Power BI王子こと清水さんのQiitaと下記のPDFだそうです。

Power BI 王子のレポート集 - Qiita

http://niadqe.jp/wp/wp-content/uploads/2019/02/z004-1902-20190201_seminar_shiryo4.pdf

 

吉田さんの今後の課題は社内にもっとPower BIを普及させること。
すでにPower BIを社内で使っている会場の人たちから出た普及方法例は下記でした。
例)トップダウンで使う。目につきやすいところにリンク張るなどして自然と慣れさせる。
 
清水さん曰く、新しいものを「説明する→知る→習慣化する」の流れには時間が必要。
効果的なプロモーションのひとつとしては、
ITに弱いと思っている(思われている)人にこそ実際に人前で触らせてみて成功体験をさせること。
 
私は社内でPower Platformの話をすると、
Power BIについて聞かれることが多かったのですが、私自身はほぼ触ったことがなく…
吉田さんのお話を伺ってPower BIを触りたくなったので、手始めにブログのアナリティクスをPower BIでまとめてみようと思います。
 

2つ目のセッション

テーマ:「やっぱり TAICHI は Home 365」
スピーカー:Taichi Nakamuraさん
 
前日のMicrosoft Ignite The Tour Tokyoでセッションを拝見して、わかりやすいかつおもしろいセッションだったので今回も参加しました。
 
Home365とは?
→家庭利用向けにOffice365+αで家庭の諸々をサポートしている。
 
Home365の原点
→MS Plannerで大掃除のタスク管理をすること。
誰がどこを掃除しているのかを一目でわかるようにしたい。
人がちょっとめんどくさいなと思う作業を効率化できるのがPowerPlatformが最も輝く場面なのではないかとのこと。
 
アプリ例①
カップラーメン専用アプリ。
なんのカップ麺を食べたかのデータ収集やタイマー機能等がついていました。
 
アプリ例②
安否確認アプリ
位置情報も地図でわかりやすいようになってました。
 
アプリ例③
筋トレ記録アプリ
筋トレのデモ付き!IgniteTourの時より腹筋カウントのセンサーは調子がよさそうでした。
 
アプリ例④
感情蓄積アプリ
物理のボタンと連携したアプリ。
ネガティブな気持ちの時は物理ボタンを長押し。
ポジティブな気持ちの時はワンクリック。
緊急時はダブルクリック→通知が行く。
などで感情をデータ化して、Power BIで可視化してます。
アンガーマネジメントに導入したら良さそうだと思いました。
 
アプリ例⑤
外食記録
外食の記録を位置情報と合わせて記録できるアプリ。
 
たいちさんの作るアプリはUIがシンプルでわかりやすい上に色使いのバランスが良くておしゃれです。お子さんでも使いやすそうなデザインです。
アプリの題材も日常に根付いた題材で、学習効率がすごくよさそうだと思いました。
なにより楽しんで作って利用されているのが伝わってきました。

後半はたいちさんとこだまさんによるPower Apps演奏会でした。
Power Appsで作った楽器アプリで演奏するというもの。
初めて生演奏を拝見しましたが、音がきれいで感動モノでした…!
YoutubeにもPower Apps演奏会の動画があるのでぜひご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=D95j5DJtC30

 

3つ目のセッション

テーマ:JSON 値との付き合い方」
スピーカー:Tomoyuki Obi さん
資料:JSON Value into Power Automate

 

JSONに特化したお話でした。

 

JSONってなに?
JavaScript Object Notation。データの持ち方の種類。
 
JSONの書き方
→値の種類:数値、文字列、真偽値、配列、オブジェクト、null
{}で全体を囲むし、文字列なら””等。
 
Power Automate上のJSONにできること
スキーマによるデータの検証。値の取得。値のコピー。
値の変更はできない。
 
他にもいろいろ情報があるのですが、まだよくわかっていない私のメモ程度の要約を書くよりスライドを見ていただいたほうが確実なので割愛です。
 
JSON書けばいいよね簡単だよね」「簡単じゃない!」の流れは海外でもよくあることらしいです。
私もまさにこれで、いつもコピペしているJSONについていつかちゃんと学ばねばと思っていたのでこのセッションはありがたかったです。
今後も今回のスライドを参考にします。
 

 4つ目のセッション

テーマ:「タイムカード打刻チャットボット「ごえもん」誕生話」
スピーカー:Noriko Matsumotoさん
 
実際に自社に導入してるタイムカード打刻チャットボットのお話でした。
 
Power Automateの基礎から
・Power AutomateはPower Platformのライセンスが必要
→人とサービスをつなぐもの
・Azure Logic AppsはAzureのライセンスが必要
→サービスとサービスをつなぐもの
それぞれ適材適所があるのでそこを理解して使い分けましょうとのこと。
 
勤怠システムの要件:打刻は簡単にする。改修を手軽にする。
 
最初に使用していた勤怠システム
Slack→Functions→kintone→Excel
⇒欠点:エンジニアしか修正触れない。Excelの形式が違う。
 
「ごえもん」
Teams→Automate→Excel
上記構成で前回の欠点を改修!
 
今後の課題
・日付またぎがない。日付またぎはAutomateに向かないとのこと。
AndroidのTeamsだと姓名の並びが逆になる。
・たまに打刻漏れと重複がある。
 
打刻忘れ防止に、ある場所に入るとTeamsに投げるというような設定をLogic appsで作られているそう。勤怠管理に抜かりがないですね。
 
「誰でもできる」はなにもせずにできることではない。
最初の学習コストは大切。最初の学習コストさえちゃんと押さえておけばそのあとはどんどん進められる。

うちの勤怠システムもTeams×Automateでなんとかしようと錯誤中のところだったので参考にさせていただきます。
いつもブログ等でお世話になっている松本さんのセッションをMicrosoft Ignite The Tour Tokyoでは聞きそびれてしまったので今回参加できてよかったです。
 

5つ目のセッション

テーマ:「IT企業のジャーマネ視点からPower Apps 導入など」
スピーカー:Teruchika Yamadaさん
 
Power Platform初心者から一歩先に行くには、
社内でPower Platformを提案するにはどうするかというお話でした。
 
導入提案時のポイント
・数字
・事例
・流行
上記を抑えると誰にとってもわかりやすく伝わりやすくなる。
 
実運用するためのアプリを作る場合のポイント
・完璧は目指さない。
 困ってることの解決や効率化など、目的を達成することが大事。
 社内利用の場合は特に本質を見失わない。
・利用者の動きを理解した仕組みにする
 "システム"や"アプリ"は"利用する人""運用"まで含めて"システム"。
 人の行動も含めて設計すると良い設計になる。
・役割でアプリを分割する
 一つのアプリにすべての機能を盛り込もうとしない。
 小さくて鋭いツールが良い。
 
山田さんは名古屋でコミュニティ活動で、途中まで作ったけどつまづいて先に進めないアプリを発表してみんなで解決する会をしているらしく、めちゃくちゃ行きたいと思いました!
なので東京でも企画したいと思います。
企画した際にはご参加いただけると嬉しいです。
 

感想

 5つも濃いセッションが聞けてめちゃくちゃ充実した一日でした。
みなさんのPower Platformに対する熱意を直に感じて、私も創作意欲が沸いてきました。
運営の皆さんはこの日のために半年前からご準備されていたとのことで、確実にその結果が表れている素晴らしいイベントでした。ありがとうございました。
また半年後も楽しみにしてます。
今回の熱量を受けて、Jazug女子部でもAzure×Power Platformで何か企画したいと思いました。します。よろしくお願いします。